アウトプレースメントと言うのは、企業が業績悪化等を原因として、人件費を圧縮するべく人員整理をして、その対象となった社員に対して再就職の支援をするものです。

いじめは絶対にダメです

ここで問題なのは、人員整理の対象になった社員の不満や不安をいかに解消させるかということで、これをきちんと対応をしないと、その人の人格否定にもなりかねないことになり、その結果凄惨な事件がおこることもあります。それはそうですよね。結局企業の都合で、リストラの対象となり、場合によってはいじめなどで会社にいられないようにするケースもあり、そういうことをされた人の気持ちを考えると、その精神的苦痛は大変なものといえます。実際に今から20年ほど前に、ある上場会社でリストラの対象になった60前の社員の方が、社長室で社長や多くの社員の中で割腹自殺を図り、救急車で病院に運ばれる中、延命措置はしないで欲しいと言って亡くなったという、大変な事件がありました。
http://lifepln.info/csr/92

アウトプレースメントの場合は、ある意味、CDA(キャリアデベロップメントアドバイザー)が人員整理の対象になった社員に対して、その社員が持つ不満や不安をきちんとヒアリングをして、かつ、面接や応募書類の書き方などを懇切丁寧にアドバイスをして、その方の再就職支援を行います。

アウトプレースメントの活用例

アウトプレースメントの活用例としては、様々なケースがありますので、ここでご紹介をします。

状況:地場産業で業績が悪化したために向上を閉鎖することになり、300人いる社員のうち60人の人員整理が必要になった
問題:地方の会社のために、その地方自体の景気も良くないので、人材募集自体が少ない
対応策:きちんとしたカウンセリングをして本人が最も優先することは何かを明確にした。
その後

  1. より希望に沿った求人の斡旋
  2. 面接のトレーニング
  3. 応募書類(履歴書や職務経歴書など)の書き方のトレーニング

などを行い、再就職の支援を行う。

  • 月1回カウンセリングで希望の見直しや面接のトレーニングを行なった

その結果
開始から半年で90%の社員の再就職が決まった。

このように、人員整理の対象になった場合にその社員の不安や不満を聞いて、さらにその希望を聞いて、それに基いてカウンセラーと社員が目的を持って行動をすると、このように大きな成果が生まれます。これは、社員がカウンセラーの対応によって、モチベーションを持って行動したことが大きいですし、カウンセラーがきちんと対応しながら、現実を捉えて的確にアドバイスをしたという点も大きいといえます。また、会社からも再就職を支援するという姿勢も、人員整理の対象になった社員の心に響いたということもあったと思います。

冒頭でご案内したことは、今でも起こりえる事象ですけれども、企業の業績悪化は、企業だけの責任ではありませんが、雇用をしている以上は、会社都合で退職を勧告するのであれば、戦略的にアウトプレースメントをするべきですし、後は中小企業も出来るように検討していくことが求められています。